日記・コラム・つぶやき

2009.11.18

振替納税

◆来週は「ネットワーク大学コンソーシアム岐阜」という企画の中の講義「自治体と環境」で一回担当するため,この月曜・火曜は講義用pptファイルの作成をしてました.
 この「ネットなんちゃら」は大学の講義室での講義と,その内容の遠隔ライブ授業とe-ラーニングという3つが同時におこなわれるそうで,配布資料に関して著作権の問題が起きないように写真や本の写し,新聞記事の使用が制限されているため,効果的なプレゼンには制約がとても大きくて,パワポ作りも大変でした…

◆11/10(火)は1限に環境保全論IIの講義もしたのですが,岐阜県の大型公共事業の話を準備していると,つくづく,徳山ダム建設で300億円の借金とか作って,それで県職員の新規採用無し,とか最低だなぁ,と思いました.

 で,その夕方,ネットで購入した中国の本のお金を振り込みに近くのショッピングモールに行ったら,こんなものが…
 
Getattachmentaspx
 
 
 税務署が納税のためのキャンペーン企画で小学生に書いてもらったらしいのですが,「ぜい」「のうぜい」「振替納税」って,なんか激しくイヤな書道ですねw
 
 で,集めた税金は無駄な公共事業の支払いのために消えていく,っと.
 
 
 
◆本日(11/18)は午前中に岐阜市の貝類調査に参加して,午後は教授会.

| | TrackBack (1)

2009.11.15

海と川

そういえば,3月の生態学会の発表申込みを忘れていて,締切を過ぎてしまいました…
_| ̄|○ il||li
 
 
◆一つ前に載せた韓国産ヨシノボリとして売られていたトウヨシの写真がイマイチだったので,今度は水槽内の良いポジションにいるところを撮影.

Dsc_2207
 
  
 
◆本日11/15は,かつて長良川下流域生物相調査団として調査をしていた方々と共に,河口堰が稼動して15年近く経った現在のカニ類の生息状況の調査に参加.
 河口堰稼働前と同じ地点で同じ手法を用いることによって,激減,もしくはいなくなったことを確認するという調査なので,何もいない荒れた地面を掘り返してきました…
 

Pb152538
 
 ある意味,墓穴を皆で囲んでいるみたいな写真になってますね…
 
 
◆調査後に,飼育中のイシドンコやコウライドンコの餌用の小魚を採集に寄り道.
 5時過ぎて真っ暗でしたが,ツチフキでもいないかな〜,と思ってO垣市の川に行ったところ,約20cmもあるマハゼが採れました.
 
Dsc_2210
 
 どういうわけか,冬場,大型個体が淡水にいることがあるんですが,こいつは随分と上流で越冬するつもりだったのか?

| | TrackBack (0)

アクアとフィッシュ

最近忙しすぎてちょっとヤバイ感じ…締切のあるいくつかのモノをどうやってこなしつつ,どうやってそれ以外のシゴトをするか…

◆先日発売された今月号のアクアライフを見たのですが,知り合いが取材していた「在来コイ」の記事が掲載されてました.いや〜,これは良い記事だ.
 随分前に在来コイの記事が書きたいということで相談されたので,いろいろな方を紹介したり仲介したりしたのですが,その甲斐があったというモノです.

◆今月のフィッシュマガジンには,Rhinogobius lindbergi?として海外産ヨシノボリの写真が載ってましたが,あの写真の個体は明らかに胸鰭条数が少ないので,リンドベルギィ(胸鰭条数19-20)とは違いますね.顔つきや色の感じからするともっと南方系でしょう.

 ヨシノボリの英名は,欧米ではAmur gobyということになっているので,観賞魚として海外から入ってきた際にAmur gobyと書かれていたとしても,それはアムール川にいるリンドベルギィのことではなく,単に「よしのぼり」と書かれている程度の意味です.S君,そのことを知らなかったのかな? でも,安直にリンドベルギィとしてしまわずに「?」をつけたのはさすがですね.

 ちなみに,その記事を見て,きっと中部地方の大手の店には海外産ヨシノボリが入荷しているに違いないと思って調べたら,案の定,韓国産アムールゴビーとしてペアで売られていました.

 で,速攻で買いに走ったのですが…
 
 
Dsc_2190
 
 ↑これ,トウヨシだよね…?
 
 
Dsc_2204
 
 しかし,ペア売りだったので“雌”扱いされていたこちらは,たぶん,日本にはいない種類かと.行動も上の“雄”に比べて,かなり底性傾向が強いです.痩せてるから,ちゃんと餌をやって回復させなければ…
 
 なんていうか,安い買い物ではないので,トウヨシだとガッカリ感がかなりあったりして…
 
 
 
◆前回ブログを書いた後のできごとのメモは次の通り.

11/5 大学の安全衛生講習会で「メタボリックシンドローム」についての講義を聴いた…のですが,あんまり役に立たないような気も.結局,摂取カロリーを減らして運動するしかないですから.

11/6 C新聞の記者さんが来年の記事のための事前取材に来られたので,いろいろネタを提供.

11/7-8 東京からヨメが来訪.ちゃんと部屋をきれいに保っていたので,特に怒られることもなし.

11/9 午前中にMIE大の学生と共同調査のための打ち合わせをして,午後は会議.共同調査といっても,結局こちらは毎日講義や会議があって出られないので,任せてしまってます…

11/10 1限に「環境保全論II」の講義をしてから,ISO14001の更新審査のヒアリングに参加.夜は知り合いの研究者が来られるので,教育学部のK先生と一緒に街で飲み会.おいしい焼き鳥を食べました.

11/11 貝類調査のレクチャーを野外で受ける予定だったのが雨天で中止.直前に自宅に中止を伝えるための電話があったようなのですが,9時半集合で9時に自宅にいるわけがねーだろ,と思います.
 ただ,市役所の方が中止という連絡のために集合場所に来てくださっていたので,その場で立ち話とはいえいろいろ話せたのは良かったです.さらに,その場で3年近く前に野外作業を手伝ってもらった他学部の学生と久しぶりに会うことができました.当時1年生だった子が,今は4年生になってボクと非常に近い分野の卒業研究をしていることがわかったし,すっかり御無沙汰だったのに,それなりに慕ってもらえていたようで,大変にうれしかったです.

11/12 研究室のセミナーの日.論文紹介で3年生は和文の論文でもかまわないことにしていたので,日本水○学会誌からの御紹介.しかし,論文のレベルが低い…学部3年生で論文の内容の良し悪しの判断は難しいわけですが,前期にも別の3年生の子が同じ雑誌の論文を紹介していて,それと同じくらいの内容の低さでした.日○水産学会誌の「遺伝的集団構造」に関する論文は,あんまりちゃんとした人が査読してないんでしょう…
 ついでに書いておくと,しばらく前に4年生の子がG○ne誌に掲載されていた某国の象徴が第一著者になっている論文を紹介してくれたのですが,これもディスカッションが…ほとんど査読が素通しだったのではないかという感じです.題材的には,紹介してくれた4年生の研究テーマに近いのですが,思わず「この論文は参考にしなくていいから」とコメントしてしまいました.

11/13 1限に講義をした後,いろいろと雑多なことをしておりました.

11/14 久しぶりに長時間寝てから,洗濯や水槽の水換え,溜まっている査読を少し進めました.
 
 
◆最近の狩り
 上位村クエを進めているのですが,リオレウス・リオレイアは楽勝だったものの,マ)王に苦戦.数日の間,毎晩挑戦してようやく勝ちました….村クエも最後のレベルなので段々キツくなってきたな〜.来週は集会所のキークエストを進めてG級を目指したいところです.でも,時間がないかな…

| | TrackBack (0)

2009.11.05

亜種

◆10/29-11/1あたりは岐大祭だったようですが,基本的に人混みがキライなので講義をしなくても良いラッキーデイ&単なる休日でした.しかも,うちの研究室は群れることがキライで他人に干渉しないネコ型人間が多いので,大学内ではイベントが無い岐大祭初日は普通に研究室のセミナーをやって,翌日も定期調査に出ておりました.

◆最近,近所にできたコンビニにモンハンのフィギュアがあったので,ついつい購入.一個あたりの値段が結構高いので中身がダブるとツライのですが,幸いなことに一つ重複しただけで,いろいろな種類が入手できました.
 
 

Naruga
ナルガクルガ,とかね.
 
 
◆さて,モンハンのモンスターには,色違いで若干行動パターンの違う「亜種」が設定されているものもあります.実際の生物分類では形態的に区別可能で,地理的に分布が分かれているものを「亜種」とするのが一般的なので,同じ地域に複数の亜種が生息するのはオカシイわけですが,よくよく考えてみると身近なところでオオクチバスが該当することに気付きました.

 原産地のオオクチバスは,北部の名義タイプ亜種(基亜種)Micropterus salmoides salmoidesとフロリダ半島のフロリダ半島産亜種M. s. floridanusに分けられるわけですが,日本では両者が同じ地域にいたりするので,モンハンの「亜種」の使い方がオカシイとはいいきれないわけです.(ただし,日本では両亜種が雑種化しているので,どう呼べばいいのか微妙な気もしますけど)
 
 
 そんなことを考えていたところ,本日のセミナーの論文紹介で「基亜種」という言葉が出てきて,学生が「基亜種ってなんですか?」というので,これ幸いと本棚に置いておいたフィギュアを取り出しまして,
 
 
「↓こっちが基亜種」
Dia1
 
 
「で,↓こっちが黒色亜種.」
Dia2
 
 
と説明しました♪♪

 設定上は,上のモンスターは単に「ディアブロス」と呼ばれていて,下が「ディアブロス亜種」とされているのですが,ようするにその分類群の名前の基準となるものが基亜種で,それに対して別亜種として命名されたものがいるのだよ,という説明をした次第.

 と,いうことで,フィギュアは教材として購入したんですよ〜,というお話しであります.(さすがに公費では買いませんがsweat01

| | TrackBack (0)

2009.10.27

ドラマ

◆先週は月曜日に科研費の書類をとりあえず学内締め切りに合わせて提出.水曜日には夕方から長良川市民学習会で京大名誉教授の今本博健さんの講演を聴いて,講演後のパネルディスカッションでパネラーとして参加しました.今本先生という方は,最近さまざまな雑誌に出ておられて,ボクが載っているSPA!の同じ号にも大きく出ておられるし,先週と先々週のビッグコミックスピリッツでは美味しんぼの中にまで登場されております.

 市民学習会での講演は,これからの川についての話だったのですが,スライドも何も使わずにただ立って話すだけで聴衆を引き込む今本先生の話術は凄かったです.内容的には,かなりのぶっちゃけ話でしたし,「治水をやってきた者にとって,長良川河口堰は治水のためです,と言われたのは非常に腹立たしい」と言っておられたのは,やはりそうなんだ,と思いました.


◆さて,その他もろもろの仕事をこなしつつ,金曜日は愛知県方面にMJ大のT先生と一緒に採集調査.そして,土日は,ようやく久しぶりの締め切りに追われていない,他に用事の無い休日でした.(ホントは査読とか,校正とかはいろいろあったけど,土日にやらねばならない,というわけではなかった)

 そんなわけで,久しぶりに一切ヒトと会わないヒキコモリになって,土曜日は一切外出せず部屋に一人で過ごして,日曜日も夕方に食材とマンガを買いに出ただけで,それ以外は全く他人と接することはありませんでした


◆しかしながら,ひきこもって過ごしたおかげで撮りためたテレビ番組を大体見終わりました.最近土曜日の晩に放送が始まった「ターミネーター  サラ・コナー クロニクルズ」も1~2話を続けて見たところ,なかなか面白いんですけど,なんかすっごく日本のマンガっぽいです.

 話としては,ジョン・コナーのクラスメイトとしてあらわれた女子型ターミネーターが,いつものごとくジョンを抹殺に来たターミネーターと戦うのですけど,女子型ターミネーター(←長いので,以後「タミ子」)が,銃で撃たれるは,車で引かれるは,高圧電流でふっとばされるは,窓から投げ捨てられるわ,毎回ヒドイ目に会うんですよね…ターミネーターなので本人は気にしちゃいませんが,結構カワイイ女優さんなので,タミ子が次はどんなヒドイ目に会うのか,ちょっと心配です.

 あ,それと,ターミネーターは設定的に未来の人類のリーダーになるジョンを,母親のサラ・コナーが守るのが中心になってくるので,どうしても母のサラが息子のジョンにべったり,ということになります.そこに若いタミ子が絡んでくるので,サラとタミ子の会話とかは嫁姑みたいで,これも別の意味でハラハラします(笑).

 ドラマといえば朝の某局の連続ドラマも,今回はウミガメとか雑誌編集とか,興味あることがいろいろ入ってるので毎回見ておりますが,今朝の放送では「熱帯の海での種分化」の話を黒島のウミガメ研究者の人たちが酒を飲みつつ熱く語っておりました.そうなんよ,海洋で大規模な回遊をするウミガメみたいな生物が,どうやって種分化するのか,とかホントに興味深いよね.(←ドラマ的には,主人公の女の子がそういう話に入っていけなくて困っている,という場面だったんですが,まあ,そんなことはどうでもいいのです)


◆ついでにMHP2Gの最近の状況記録.
 学会前にハンターランク6に上がることができたので,大体一ヶ月で一つランクアップという自己目標は達成中.
 この週末には村クエストでナルガクルガ討伐クエストが出現したのでやってみたら,初挑戦で,しかも閃光玉とか忘れて行ったにもかかわらずクリアできました.先週のK研との合同飲み会で,モンハンをやりこんでいるK研の男子学生が「へビィボウガンではナルガクルガに弾があたりませんよ」とか言ってたり(ボクは,ほぼヘビィボウガン一筋のガンナー),以前MHP2Gをやっていたことがあるウチの学生が「ムササビ野郎(ナルガクルガ)が倒せないので諦めた」と言っていたので,どんなもんかと思っていたのですが,若さにまかせた戦闘よりも,ボクの老獪な戦術の方が,この場合は良かったということか?

| | TrackBack (0)

2009.10.19

科研費

今年の科研費申請の学内締切は10/19月曜日ということだったのですが,月曜日はいくつか予定が入っていたりして作業が出来るとは思えなかったので,日曜日中に作成して電子申請も終了.

 この時点で午前2時半.

 ああ,疲れた.でも勝てる気がしないなぁ…
 

(;´д`)トホホ…
 
 

| | TrackBack (0)

2009.10.13

SPA!

◆10/9-12は日本魚類学会年会@東京海洋大に参加しておりました.

 10/12は国内外来魚シンポで,その仕切りをしなければならなかったのですが,10/9に海洋大に着いてから必要な準備が出来ていないことを次々と思い出しまして,コンビーナーの人達にいろいろお願いしたり,海洋大の先生にお願いしたりして,かろうじて何とかなりました…関係者のみなさま,いろいろスイマセン.

 年会そのものは楽しかったのですが,ポスターを充分に見る時間がなかったのが残念です.口頭発表は,見たかったものの多くを見ることができたのですが,分類学をしている同年代の人達数名のプレゼンの巧さに心底感服しました.あれは,上手だ.うん.他には,K大のK先生のところの,どじょっこ軍団の一連の発表がおもしろかったな.

 また,個人的には,シンポを含めた口頭発表や,会場での質疑・場外での議論で,とてもクレバーな行動をとれる方々を見て,すばらしいなぁ,と思いつつ,そうした振る舞いの出来ない自分の愚昧さをコッソリ悲しんだりしておりました.

 とりあえずシンポそのものは盛会で,それ自体は良かったかなぁ,と.保全のみならず,サイエンスとしても興味深いものがいろいろ含まれていましたし,今後もいろいろな面で多くの人が継続していくべきテーマだとあらためて思いました.
 
 
◆さて,連休が明けて10/13は,電車で移動して東京の某河川で採集してから大学に戻りました.
 
Dsc_2031
↑成果物
 
 目的は,上の写真とは別のド普通種の遊泳性魚類だったのですが,そちらはタモ網で小型個体をそこそこ確保.しかし,ハゼの方がカワイイですな.
 
 
◆国内外来魚シンポが明けて,翌朝にはコンビニに週刊SPA!が並んでおり,先週取材を受けた「外来種特集」がちゃんと載っておりました.初稿段階では,ボクがとんでもない過激発言をしたことになっていたので,「この部分は絶対に直してください!」と言っておいたのですが,実際に発売されるまでは「もしも直ってなかったらどうしよう…」と,結構心配してました.

 ま,幸いなことに原稿は修正してもらえたので良かったです.ホントに.

 ちなみに,中吊り広告にも「外来種特集」のことはちゃんと書いてありますね.左右や直下の記事のタイトルが,なんとも言えませんが…coldsweats01

 しかし,こんな雑誌なので,研究室で学生たちと一緒にページをめくっていたら水着ギャルのグラビアがあったので「こういうのがあるとセクハラとか言われそうだよね〜」と言ったら「セクハラですw」とニコヤカにピシャリと言われたので,とりあえず外来種の記事だけ他のメンバーにも見せたら封印しときます.あぁ,コワイコワイ….

| | TrackBack (0)

2009.10.08

いらんもんは,いらん

今これを書いているのは,台風一過ですっかり天気が良くなった午後.

大型の台風が東海地方を直撃するということで,前日からさまざまな対応が指示されており,市内の小中学校は休校というのが前日に決定済み.しかし,うちの大学は朝7時の時点で暴風警報なら午前中は休講,午前11時の時点でも暴風警報なら午後も休講,という中途半端な指示でした.

 で,結局,午前中に注意報に変わったので,午後の講義を持っているボクは大学に来ていたのですが…鉄道が止まっていたせいで結局,午後も休講にしてくださいという指示が来ました.

 それでは,他のシゴトをしませう,と思っていたら,せっかく大学に出てきたのに先生が来ないので,どうしたものかと思った受講生が一人,今日の講義はどうなったんですか,と聞きにきました.まったく,大学が中途半端な指示をするから…
 
 
 さて,そんなことで学会前にやるべきシゴトの残りに手をつけていたのですが,ちょっとネットを見たら以下の記事が.

紀の川大堰の水利権放棄…大阪府、380億円負担無駄に

 内容的には,和歌山市に作られていた紀ノ川の河口堰について,大阪府が使うはずだった利水分を放棄する,という話ですね.大阪府がすでに支払った事業費負担分が380億円だけど,その後の利水のためには新たな水道設備を作って,さらに毎年2億円の維持管理費を払わされることになるので,今後の財政負担を考えれば撤退が有利,ということなのでしょう.

 ちなみに,なぜこの記事に目がとまったかというと,紀ノ川大堰のあたりは魚採りに行ったことがあるので,ちょっと気になっていたからです.あらためて和歌山河川国道事務所の公式サイトを見ると,紀ノ川大堰の目的として書かれているのは,無駄な公共事業といわれるものの典型だったので,思わず失笑してしまいますが.(きっと,テンプレートがあるのでしょう)
 
 
 結局,本当に防災や利水に必要なものであれば,そのことをはっきりとわかりやすく書けるはずなんですが,そうした目的が失われた状態で無理やり必要性を書くときに,最近の国交省の定番となっているのが「河川環境の改善」です.ダムを作ってコンクリで固めた人為的な環境にして,何が環境改善かと思いますよね.「環境のため」と言えば,それで市民は納得すると思っているのでしょうか.(あー,ムカツク)
 
 
 
 さらについでですが,今発売中のAERAに「ダム誘発地震」についての記事があります.

 ダムを作ると,それまでその場所に存在しなかった大重量が地面にかかりますし,岩盤の間にそれまでは浸透しなかった水が水圧で押し込まれたりするので,ダム周辺に地震がおきるという現象があります.それをダム誘発地震と呼び,いろいろと“海外では”研究されているようですが,日本では個人研究以外にはおこなわれていないようです.

 記事中の徳山ダムなどの大型ダムを建設したり管理したりしている水資源機構の人達の意見によれば「ダム誘発地震の研究があることは知っているが,湛水と地震の物理的因果関係は明らかになっていない.そう考えられるので調査研究はしていない.」だそうです.

 最近,国交省系のこの手の(゚Д゚)ハァ? な言い訳も,すっかり見慣れてしまいましたが,こんな態度で防災とか人命を語るな! と言いたくなります.こっちは徳山ダムのあたりから延びている断層の直上に大学があるんですが? 過去にも直下型大地震が起きて大災害が起きてる地域なんですけど?

 いい加減な言い訳をしなければならない事業は,必要ないから言い訳をしてるんであって,いらんもんは,いらんというのは正しい態度でしょう.そして,危ないんじゃないの?と危惧されることに対して「知りません,関係ありません」は無責任だよな.

| | TrackBack (0)

2009.10.06

「国内外来魚問題の現状と課題」日本魚類学会市民公開シンポジウム再案内

Photo_2
 
 
以前にも案内を書いた10/12開催の公開シンポですが,再度案内を載せておきます.

 ちなみに,このシンポは「市民公開」なので予約無しで自由に見に来てもらってかまわないのですが,勝手に行っても良いものかと心配された方からの確認メールがちらほらと…いや,本当に大丈夫なんですよ!

 ただ,水産関係あるいは釣り関係の方々にとっては「放流」というのは絶対的なもの(土木工学関係者における「ダム」の絶対的存在価値くらいか)となっている可能性もあり,感情的な反発も予想されます.数年前に自然保護委員会が行ったシンポでも,保全を主眼においた内容でありながら放流問題に触れた結果として感情的な反発も受けたようですし,今回も釣り関係の複数の雑誌でシンポの紹介が載るはずだったのが,掲載されなかったりしておりますので,当日はどんなふうになるのでしょうね? 過去の行為を責めるためのものではなく,現状を理解して今後を良くする糸口をつかむのが目的なのですが…

 また,このシンポの宣伝がある程度なされていたおかげで,電車に中吊り広告が出るようなコンビニにも売っている某週刊雑誌が外来種特集をするにあたって,ボクのところに取材が来ました.特集としては外来生物一般のことを扱うので,国内外来種の話を聞きに来たわけではないのですが,外来種問題自体の啓発にはつながっているのかな.(その雑誌の特集については,あんまりよろしくない極論を言うような人達のところにも取材に行っているので,全体としてどうなるかはわかりませんけど)

 さて,そんなわけで,いよいよ来週月曜日の市民公開シンポ「国内外来魚問題の現状と課題」について,プログラムを載せておきます.

*****************************************
市民公開シンポジウム 「国内外来魚問題の現状と課題」
日本魚類学会主催

日時: 2009年10月12日(月・祝) 11時00分~18時30分
(開催時間は魚類学雑誌第56巻1号掲載のものから変更になりましたので御注意ください)

場所: 東京海洋大学 大講義室
東京都港区港南4-5-7

アクセス
・JR線・京浜急行線 品川駅港南口(東口)から徒歩約10分
・東京モノレール天王洲アイル駅から「ふれあい橋」を渡り正門まで約15分
・りんかい線天王洲アイル駅から「ふれあい橋」を渡り正門まで約20分


シンポジウムの目的と概要

 外来生物が引き起こす様々な影響は今や世界的な問題となっています.日本においても生物多様性や人の健康,産業に著しい被害をもたらす外国の生物を特定外来生物に指定し,取り扱いを法的に厳しく制限しています.しかしながら,本来生物にとって国境という概念は無意味です.こうした「国外外来生物」に比べると,日本産という意味では在来種であっても,国内において意図的に,あるいは意図せずに本来の分布域外へ運ばれることで「国内外来生物」となっているものが多く存在することや,それによって引き起こされる遺伝的かく乱や生態系への影響についての認識は驚くほど低いのが現状です.
 淡水魚の場合,移動範囲が同じ水系内に限定されるという特性から,日本国内でも地域ごとに遺伝的・生態的・形態的に違いが生じ,多様であることが知られています.ところが,漁業や釣り目的で膨大な量のアユやコイ,フナなどの種苗が全国で放流されており,そうした種苗に混入した淡水魚が本来の分布域を越えて全国に広がっています.混入した淡水魚は,海外からの外来生物と同様に侵入先で悪影響を及ぼしている可能性があるにもかかわらず,それらが「日本産」であるという理由で見過ごすことは,魚類はもとより河川や湖沼の生物多様性の保全にとってのリスクを放置することにつながります.イワナやヤマメなどの渓流魚や,メダカやタナゴのような観賞魚においても,地理的多様性を無視した放流によって遺伝的かく乱が生じていることが危惧されています.さらに,海水魚においても,地域差を無視した放流が続けられており,生物多様性に悪影響を与えていると考えられています.こうした放流は,資源保護の観点からは正当な行為とみなされており,また保全や環境美化,情操教育を目的とした「善意」に基づいているという面もあるため,解決のためには正確な現状認識と,慎重な議論が不可欠です.
 そこで,私たちは魚類における国内外来種の問題を「国内外来魚問題」と位置づけ,気鋭の研究者に最新の研究に基づいて国内外来魚による在来生態系への影響を御紹介いただくとともに,その分布拡大要因と,先駆的な法的規制や放流ガイドラインをふまえて,日本の豊かな自然をどのように守っていけばよいのかを議論する場としてこのシンポジウムを企画しました.
 自然環境の保全と復元,外来種問題などに興味関心を持ち,また取り組んでおられる方々の積極的な御参加をお待ちしております.

プログラム

I. 基調講演
国内外来種とは何か?
  瀬能 宏(神奈川県博)

II. 国内外来種による生態系・群集の変化
有明海沿岸域のクリーク地帯における国内外来魚の分布パターン
  鬼倉徳雄(九大院農)

湖沼におけるコイの水質や生物群集に与える生態的影響
  松崎慎一郎(東京大学 地球観測データ統融合連携研究機構)

III. 国内外来種の希少淡水魚への悪影
シナイモツゴからモツゴへ-非対称交雑と種の置き換わり-
  小西 繭 (信州大SVBL)・高田啓介(信州大理)

タナゴ亜科における遺伝子浸透
  三宅琢也・河村功一(三重大院生資)

IV. 国内外来種による遺伝的攪乱
琵琶湖から関東の河川へのオイカワの定着
  高村健二・中原真裕子(国立環境研)

大和川水系でみとめられたヒメダカによる遺伝的攪乱
  小山直人・北川忠生(近大院農)

琵琶湖水系のイワナの漁場管理にむけて
  亀甲武志(滋賀水試)

V. 海産魚における国内外来種問題
日本の水産業における海産魚介類の移殖放流
  横川浩治(香川県多度津町)

VI. 国内外来種拡散の要因
内水面漁業の今後の課題
  丸山 隆(海洋大)

滋賀県内の鑑賞魚店における日本産淡水魚類の販売状況と課題
  金尾滋史(多賀町博)

VII. 国内外来種の法的規制
滋賀県の条例について:地方条例は国内外来種問題に対処できるか?
  中井克樹(琵琶湖博)

保全の単位:考え方,実践,ガイドライン
  渡辺勝敏(京大院理)

総合討論:今後の対策について(司会:向井貴彦)

*****************************************

| | TrackBack (2)

魚類学会での発表準備

いよいよ今週末から魚類学会年会です.自分と学生たちの発表用ポスターも無事に印刷が完了したので,どうなることかと思ったけれど,なんとかなって良かったです.ホントに.

 また別途シンポの案内を書きますが,まずはうちの研究室の一般発表の演題を載せときます.
 (今回は要旨を載せずに紹介文を付けてみました)
 
 
ポスター発表 No. 117
日本列島におけるオイカワの系統地理
早川明里・高村健二・中島 淳・河口洋一・鬼倉徳雄・向井貴彦

 似たような題目で08年3月の生態学会,08年10月の魚類学会,09年3月の生態学会と発表を続けてきたオイカワの分子系統地理の最新版.発表するたびにデータが増えてきたのですが,今回は121地点758個体分のデータを使った大規模な階層クレード分析を中心に据えた内容です.
 門外漢の方にはちょっと取っつきにくい解析ですが,わかる人にとっては,ほー,なるほどなるほど,と思える地理的集団構造や,琵琶湖産の移殖の影響の大きさが浮き彫りになって,かなりオモシロイです.
 6-7月頃に研究室内で階層クレード分析の勉強会を行った上で,ボクが補助しつつも基本的に発表者自身が解析して作成したポスターなので,実物を見れば,学部4+生がここまで出来るのか…と,聴衆を驚かせられるレベルだと思っております.
 
 
ポスター発表 No. 148
岐阜県の水田地帯におけるスジシマドジョウ小型種東海型の生息環境と生活史
田中綾子・向井貴彦

 こちらは,フィールドワークの内容.まとまった知見がほとんど無いスジシマドジョウ小型種東海型の生態についての研究で,今年はじめたばかりなので,どうしても野外データは物足りないものの,充分な価値はあるかと思ってます.シマドジョウマニアのみなさまと,どう議論できるか…
 ちなみに,このポスターの説明タイムは,ボクは会議に出ており,その直後には決められた座席に座っていなければならないことになっているので,発表者の学生だけで全て対応する予定.
 
 
ポスター発表 No. 189
日本産モツゴにおけるmtDNAの地理的変異
向井貴彦・小西 繭・渡辺勝敏・武内陽佑・中島 淳・河口洋一・鬼倉徳雄・高田啓介

 ボクと九大の鬼倉さんらのグループで進めていた国内外来種プロジェクトで得たモツゴのデータと,それとは別に信州大の小西さん,京都大の渡辺さんが進めていた多くの研究データについて,手を組むべく働きかけて総合してまとめた内容.
 ですから,一応ボクが筆頭になっていますけど,実際は向井・小西・渡辺の誰が代表でもかまわないものです.ちなみに要旨に約100地点1000個体のデータ,と書いてしまったのだけど,その後にちゃんとデータをまとめたら日本のサンプルは81地点913個体だったので,ちょっと未来日記に追いつけず…
 個体数はともかく,地点数もせめて90地点を越えたかった…
_| ̄|○

 しかし,移殖されまくりで本来の系統地理なんて残って無さそうなモツゴについて,かなりいろいろ見えてきました.上述のオイカワと似たような形式で階層クレード分析の結果を記述しているので,比較すると系統地理パターンの類似がとても興味深いのですが,なぜか今回の魚類学会ではコイ科の系統地理に関するポスター発表は散り散りに配置されているので,見比べつつ議論するのは難しいかも.

| | TrackBack (0)

より以前の記事一覧