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July 2017

2017.07.10

「岐阜県の魚類」刊行しました!

岐阜県でこれまで記録された全110種の魚類をすべて掲載した図鑑「岐阜県の魚類」ができました! 興味のある方は,是非お買い求めください.(amazonや一般書店に出回るのは7/18以降になる予定です)

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はじめに

 川で泳いだことはありますか? 岐阜県には水のきれいな川がたくさんあります.岐阜市の長良川は「水浴場」として認められていますし,郡上八幡の吉田川や関市の板取川などで川遊びをする人もたくさんいます.水中マスクをつけて水の中で見るキラキラした魚たちは,とっても魅力的です.また,魚釣りをすると,いろいろな魚が釣れます.田んぼのまわりの水路にも小魚がたくさんいます.豊かな水に恵まれた岐阜県には,たくさんの魚たちが暮らしています.お隣の滋賀県には日本最大の古代湖である琵琶湖がありますが,滋賀県の在来魚は67種類とされています.ところが,岐阜県には少なくとも在来の淡水魚が73種います.同じ内陸県でも岐阜県の方が魚の種数が豊富だったのです.最も有名なのはアユかもしれませんが,他にも魅力的な魚たちがたくさんいるのです.どんな魚たちがいるか,是非ページをたぐってご覧いただければと思います.

 また,昔からいた魚だけでなく,人が持ち込んだ外来魚も37種が確認されています.コイやフナ,アユなどの放流に混じってきたもの,釣りなどの目的で放流されたもの,野外に捨てられた熱帯魚など,その由来はさまざまです.しかし,外来魚が増えると,その分,昔からいた魚たちが減ってしまいます.釣りのために放流されたブラックバス(オオクチバス・コクチバス)などは,とても魅力的な魚ですが,彼らを放流したことでいなくなる魚たちのことも知ってほしいと思います.

 現在,本屋さんには,いろいろな魚類図鑑が売られていますし,インターネットでも魚について調べることができます.魚の名前とおおよその姿を知るだけなら,そうした図鑑やインターネットを見ればわかります.しかし,それが岐阜県内で見られる魚と「同じ」とは限りません.淡水魚は河川や水系ごとに隔離されやすく,他の県に生息するものとは同種であっても姿や習性が違うことがあります.近年はDNA解析などによって,同種と思われてきた淡水魚が複数種に分類されることもありますから,岐阜県で普通に見られる種類が,実はこれまでの図鑑には全く載っていない種類だった,なんてこともあります.外来魚であっても,侵入先の環境によって体形などが違ってきますし,それぞれの地域ごとに由来が違うこともあります.たとえば,オオクチバスは,1925年に最初に日本に持ち込まれたものと,1970年代に輸入されたもの,1980年代に輸入されたフロリダ半島産などがいて,日本国内でも場所によって違うオオクチバスが分布します.つまり,在来種も,外来種も,それぞれの地域のことを知りたいなら,その地域の魚の写真を使って,その地域のことを書いた図鑑が必要なのです.

 この図鑑では,私たちが暮らす岐阜県の魚の本当の姿,自然の現状などを知ってもらうために岐阜県内で撮影した写真だけを使っています.解説文には専門用語を使っていますから,少し難しい本になってしまったかもしれません.しかし,魚たちの写真だけでも十分楽しんでもらえるようになっていますし,読みやすくて興味深いコラムをたくさん掲載しました.いろいろな視点から身の回りの自然を見てもらえるように工夫していますので,アユだけ,あるいはブラックバスだけといった,一部の魚だけを大事にするのではなく,いろいろな個性あふれる魅力的な魚たちが,これからも身近にいてくれる環境を作るためにはどうすればいいかを考えていただくきっかけになれば幸いです.

編著者 向井貴彦
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