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November 2013

2013.11.28

【皆で考えてみましょう】環境行政についての設問

設問1.

栃木県小山市が,琵琶湖固有種のホンモロコを,ラムサール条約登録湿地である渡良瀬遊水地で水田養殖し,湿地のワイズユースとしての「ラムサールモロコ」として売り出そうとしていることが報道されています.

 そのことについての環境省関東地方環境事務所の見解を問うたメールへの返信を以下に記します.生物多様性の保全やラムサール条約といったものについての理解として,妥当であるかどうか論じなさい.

(以下,メールの内容.環境省担当者名と電話番号は伏字にしました.また,スパム防止のためにメアドも削除しました)
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-------- Original Message --------
Subject:  RE: ラムサール条約登録湿地における国内外来種のブランド化について
Date:  Wed, 27 Nov 2013 15:19:57 +0900
From:  <>
To:  <>

岐阜大学地域科学部 向井貴彦 様

日頃より野生生物行政に御理解、御協力を賜り御礼申し上げます。
また、今回は渡良瀬遊水地に関するご意見をいただきありがとうございました。
ご連絡が遅くなりましたことをお詫び申し上げます。

ラムサール条約では、地域の人々の生業や生活とバランスのとれた保全を進めるために、湿地の「賢明な利用」を提唱しています。賢明な利用とは、湿地の生態系を維持しつつそこから得られる恵みを持続的に活用することであり、持続的に保全・活用を進めていくには第一次産業との共生や湿地の保全・活用による地域の活性化等が重要であると考えています。

渡良瀬遊水地におけるホンモロコの養殖について、
小山市の取組は、人工的に管理された中で養殖を行っているもので、ラムサール条約湿地の自然環境下に放流するわけではなく、また、登録湿地周辺での水鳥等の環境に配慮した農業(ふゆみずたんぼ)を継続していくための一連の取組(コメの収量減を補うため)として実施されているものであり、総体的には、渡良瀬遊水地全体の保全・賢明な利用、地域の活性化につながっていくものと考えています。

今後も様々なご意見をお伺いしながら、ラムサール条約湿地におけるワイズユース推進に努めてまいりますので、引き続きよろしくお願いします。

環境省関東地方環境事務所
野生生物課 ○○
TEL XXX-XXX-XXXX

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差出人: Takahiko Mukai []
送信日時: 2013年11月6日 15:24
宛先: REO-03 (業務用ID)
件名: ラムサール条約登録湿地における国内外来種のブランド化について

環境省 関東地方環境事務所 様,

突然のメールで失礼いたします.
岐阜大学地域科学部の准教授の向井と申します.

 今年に入ってから栃木県小山市で琵琶湖原産のホンモロコ
を「ラムサールホンモロコ」として養殖して売り出そうという記事
を目にしています.

2013.11.5東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013110502000226.html

 ラムサール条約は「固有の魚類」の個体群の維持が基準に
なっていますが,外来種を利用することで「賢明な利用」とする
ことは条約の趣旨に反するものと思われます.

 ラムサール条約締約国は,国内の条約指定地の適正な利用と
保全をおこなう必要があるわけですが,小山市のような取組み
に対して,環境省がどのように考えておられるのか,御教示いた
だけるでしょうか?

 御多忙中とは存じますが,どうかよろしくお願いいたします.

 なお,蛇足ながら,今年の7月に日本魚類学会自然保護委員会
から下記URLの本を上梓しました.私どもの考えのご参考になれば
幸いです.

http://www.ajup-net.com/bd/isbn978-4-486-01980-0.html

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2013.11.19

ニュースを読む試験

<問. 次の二つのニュースを読み比べてみましょう.>

【長野】 松本市の水道使用量が減少傾向 合併の人口増反映せず http://www.chunichi.co.jp/article/nagano/20131119/CK2013111902000015.html

【三重】 「川上ダムないと水不足」 伊賀市水道部、調査まとめる http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20131119/CK2013111902000022.html

<解答例>

 松本市の事例は,「使用量」が減少している.

 近年の水需要の減少は一般的な傾向であり,同様な事例は他の自治体でもおきている.(「水道使用量 値上げ」でネット検索すれば他の事例もわかる) したがって,今後の水源開発において過度の設備投資(ダム建設など)がおこなわれると,費用が回収できずに水道料金値上げにつながる可能性が高くなる.

 伊賀市の事例は,「給水量」が不足することになると主張している.

 給水量は,実際の使用量ではない.そのため,必要以上の過大な給水量が計画することで,ダムを建設しなければ給水量が賄えない計算を容易に机上で作り出すことができる.

 実際の使用量を無視して利水計画を立ててダム建設を行った場合,使用量が増大すれば水道料金の収入が増大するためにダム建設とそれに伴う給水設備の建設費に充てることができるが,使用量が増えなければ,水道料金を値上げすることになると考えられる.

<結論>

1.過大な水需要の予測

2.ダム建設

3.水道使用量の減少

4.水道料金の値上げ

もしくは,

1.過大な水需要の予測

2.ダム建設

3.水道使用量の減少

4.水道水の使用増加の呼びかけ

5.市民の水道水使用増

6.今後の水需要が増加と予測

2に戻る (以下,無限ループ)

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2013.11.15

「いわな 川と森の生きものたち」

アクアトトで12/8までサケマス展(サケマスの生態展示より,子供が渓流魚の生態を体験できます的な内容です)が開催されており,その間,絵本「いわな 川と森の生きものたち」の原画展示と,売店で絵本を購入するとイワナの骨格クリアファイルがもらえるというステキイベントがあります.

 そんなわけで,そそくさと出かけて絵本を購入してきました!

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上二つが購入した絵本で,下がクリアファイルです.

 原画を見て,いいなぁと思っていたのですが,本も「いわな」の方は山の賑わいが,とっても鮮やかに描かれていて,自然いっぱいな雰囲気が伝わってきます.

「いわな 川と森の生きものたち」
文/佐藤成史・絵/あさりまゆみ.ポトス出版.2013年11月

 これまで,魚の絵本といえば村上康成さんの「ピンクぺっこん」「ピンクとスノーじいさん」「ピンク!パール!」の3部作が最高傑作で,これを超えるものはなかろうと思っていたのですが,考えを改めるときがきたようです.

(「やまめとさくらます」は2009年の作品なので,まだちょっと…… って感じ(^-^; )

クリアファイルも,魚類学雑誌とかを見慣れているせいか頭骨の書き込みが甘いのが気になりますけど,かなり良い雰囲気でした.

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2013.11.08

ハンター試験(ガチ),受験してきました

岐阜に棲んでいると外来哺乳類とか獣害とかが身近なわけですが,淡水魚の研究をしていてもヌートリアを頻繁に見かけるので,ここはひとつ獲って食おうと思って狩猟免許を取ることにしました.

 別に一生ヌートリアだけを狩って生きるつもりではないのですが,いきなりシシやシカは敷居が高いので,まずは手ごろなヌーから始めようかと.今からそうして獣を獲ることに慣れておけば,年を取って定年後に農漁猟を楽しむことにもつながるかという人生設計もあったりしての話です(笑)

 そんなわけで,9月25日に狩猟わな講習を受けておいて,今日(11/9)はついに狩猟免許試験でした.

 もう,試験対策はばっちり!……なわけではなく,研究者キラーとでも言うべき学会の役職を複数持っているし,大学内の委員会とか,講義会議,週末の講演,出前授業とかあって,なーんにも試験勉強をせずにおりました.昨日(11/8)も愛知県F町のN高校に出前授業に出かけていたので,結局,夜になって問題集をパラパラと30分ほど.そして,試験当日の朝に30分ほど.……「受験生」の風上にも置けない態度ですが,たぶん,普通に動物の好きなナチュラリストなら,このくらいで充分頭に入るくらいの試験問題です.(落とすための試験ではなく,最低限必要な知識があるか確認するためだからでしょう)

 そして,今朝は車で1時間弱の距離にある試験会場へ.

 朝9時から9時半が受付だったので,9時10分くらいに行ったら,すでにほとんどの受験者が来ていました.わな免許受験者が60名くらいで,銃(一種,二種,わなと併願合わせて)が20名くらい.岐阜県の西濃・岐阜地域だけでこの人数なので,県全体では毎年かなりの数のハンターが誕生しているようです.この人数で,みんながシカやイノシシを狩っていたら獣害なんかすぐに無くなりそうなんですけどねぇ…

 さて,知識試験(筆記試験)は3択問題が30問.前夜と今朝,合わせて1時間程度問題集を見ておいたおかげで楽勝でしたが,さすがに全く勉強しなかったらいくつか間違えてたと思います.知識試験と適性試験(聴力・視力・体の動き)が終わったのが10時半くらいで,午後の実技まで2時間以上ヒマでした.

 ちなみに知識試験.10名弱は不合格だったので,周りの席にいた年配の(60~70代くらい?)おじさんたちの仲間が一人脱落して,先に帰宅してました…

 午後の実技は,狩猟獣と非狩猟獣の見分け,禁止猟具の見分け,わなの架設の実技でしたが,狩猟免許講習会に出ておいたので,これも楽勝.受験番号が早かったので,さっさと終わって合格発表までまた2時間ほど待ち時間でした… さすがに午前午後あわせて4時間も待たされると持参した本も読み終わってしまうので,しょうがないから3DSを取り出して,こっそりと違う狩りに行ったりしてました(集会所下位の原生林でリオレイアとグラビモスとかに…).

 おじさんグループは,午前の試験で一人脱落したこともあって不安だったのか,狩猟獣の見分けの答えの書き方を間違えた,とか,わなの架設がうまいこといかんかった,とか,ずっと話してました.年配の方たちだけど,中高生みたいでしたね.まぁ,同じ話がループしているところが中高生とは違ったけど(笑)

 結局,実技試験は15時頃に全員終わったようで,15時半ころに合格発表がありました.「ここにいるみなさん全員合格です」と言われた瞬間に,「おぉー…」と,どよめきがあって皆で自然に拍手が起こりました.いやはや,よかったよかった.

 あとは,月末に免許を交付してもらうわけですが,その後さらに狩猟者登録をして,わなを買って,それでようやく獣が獲れるようになるわけです.まだ先は長いなー…

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