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June 2013

2013.06.30

国内外来魚本、Amazonで予約できます

新刊の「見えない脅威“国内外来魚”」ですが、Amazonで予約できるようになっていました。

http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4486019806/hnzk-22

Amazonでは発売日が7/17になってます。先にあったアナウンスの7/10発売というのは奥付に入る日付で、本屋に入荷するのは、たぶん17日頃だと思われますので、よろしく御理解願います。

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2013.06.26

「鳥類学者 無謀にも恐竜を語る」

「鳥類学者 無謀にも恐竜を語る」川上和人著,技術評論社

 基本的には恐竜本なのですが,自然史の良質な入門書だと思います.分類学,生態学,古生物学のエッセンスを,おもしろく,そしてわかりやすく紹介しているので,高校生くらいからでも読める生物学の啓蒙書として広くおススメしたい感じ.

 文体は須藤靖さんの本とよく似ていて,とても軽快に読める本文+ネタ的な注釈です.あまりにも似ているので,両者に影響を与えた共通祖先的な作家がいるんじゃないかと思うのですが,ボクの偏った読書歴ではわかりませんでした.(もちろん,収斂進化かもしれませんが)

 まあ,ちょいちょい挟むネタが,ややオタクな中年向けな気がするので,その辺はナウなヤングには届かないかもしれません(笑)

 全然内容の紹介にはなってませんが(笑),無謀というわりには,用意周到に知識を集めて緻密に推論を重ねているので,ちゃんとした科学書として楽しめる本です.子どもの頃に図鑑で恐竜をおぼえた中年おじさんたちが最新の恐竜知識にアップデートする上でもおススメです.

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2013.06.17

新刊案内「見えない脅威“国内外来魚”ーどう守る地域の生物多様性」

先日来ぼちぼちティザー広告(笑)していた本について、やっと情報公開です!
EVOLVE, TAXA, JECONETといったメーリングリストでは、担当編集の稲さんから割引販売の案内が流れていますので、そうしたMLに入っておられる方は是非お安くお買い求めください。

   出版のために筆頭責任編者として何度も読み返しましたが、本当に興味深い事例と、今後に向けての話を集めることができたので、実に良い本に仕上がっています。

  専門知識がなくても平易に読める有用な章も多いのですが、大学院生程度の知識がないと、やや理解が難しい内容も含まれているため、広く市民に啓発するような本とは少し言い難い部分もあります。しかし、魚類及びその他の「国内移殖問題」を憂慮する皆さんが、魚類における現状を概観したり、問題の認識が甘い他者を説得したりするための材料(テキスト)として有効だと思います。

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【書 名】叢書・イクチオロギアー3 見えない脅威"国内外来魚"ーどう守る地域の生物多様性
【編 者】日本魚類学会自然保護委員会編
【責任編集】向井貴彦・鬼倉徳雄・淀 太我・瀬能 宏
【体 裁】A5判 268頁  並製
【定 価】3360円(税込)
【発 行】東海大学出版会 http://www.press.tokai.ac.jp
【発売日】2013年7月10日
・発送は7月10日以降になります
【ISBN】ISBN978-4-486-01980-0
【内 容】
ふるさとの自然を守るためには何をすればいいのか. これまで見過ごされがちであった日本産魚類が日本国内で外来魚として引き起こしている問題点をまとめ,真の生物多様性保全への道を拓く
【目 次】
第Ⅰ部 「国内外来魚問題」  
  第1章 国内外来魚とは何か

第Ⅱ部 国内外来魚による生態系・群集の変化 
  第2章 有明海沿岸域のクリーク地帯における国内外来魚の分布パターン
  第3章 湖沼におけるコイの水質や生物群集に与える生態的影響
  第4章 シナイモツゴからモツゴへ─非対称な交雑と種の置き換わり
  第5章 タナゴ類における遺伝子浸透─見えない外来種─
  第6章 琵琶湖から関東の河川へのオイカワの定着
  第7章 大和川水系で認められたヒメダカによる遺伝的撹乱

第Ⅲ部 国内外来魚拡散の要因と対策
  第8章 琵琶湖水系のイワナの保全と利用に向けて
  第9章 国内外来魚の分布予測モデル
  第10章 日本の水産業における海産魚介類の移殖放流
  第11章 鑑賞魚店における日本産淡水魚類の販売状況と課題
  第12章 外来魚問題への法令による対応:特に国内外来魚問題に対して

第Ⅳ部 保全放流と国内外来魚問題:より良い保全活動のために 
  第13章 奈良県におけるニッポンバラタナゴの保全的導入
  第14章 岐阜県におけるウシモツゴ再導入の成功と失敗

付録:生物多様性の保全をめざした魚類の放流ガイドライン(放流ガイドライン, 2005)
用語解説

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2013.06.15

「空飛ぶ漁師カワウとヒトとの上手な付き合い方」

地方大学で「魚の先生」のようなことをやっていると,どうしてもアユのこととか,カワウのことを話題として聞くことになります.最近,漁協の組合員にもなったのですが,もらった書類を見ていると,猟期にカワウの頭を漁協に持っていけば,一頭¥2000円もらえるとか書いてあって,「へぇー」と思ったりしました.

 それはともかくとして,とにかくカワウはアユを食べてしまうということでいろいろ問題視されているわけで,ちょっとは勉強しなきゃなぁ,と思っていたところ,標題の本を見つけました.

「空飛ぶ漁師カワウとヒトとの上手な付き合い方」 坪井潤一著,成山堂書店

 著者の坪井さんは水産試験場の魚類学者ですが,カワウ担当としてがんばっているようです.もともと鳥の研究から入ったわけでは方なので,魚や河川生態学の視点で広く問題を見ながら,具体的な対策を考える内容になっていて,とてもわかりやすいです.

 しかし,あえて蛇足を言うならば,カワウの有効利用の提案の中で,フンを肥料とした水田でのホンモロコ養魚を勧めるのはやめてほしかったかな…… 関東では,本当にホンモロコ教団がカルトとして浸透してるんだなぁ,とアンチ国内外来魚の立場としては思ったりします.それ以外は,とても良い本ですよ.ホントに.

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「舟を編む」と「辞書を編む」

しばらく前に「舟を編む」という映画を見ました.どういう映画かというと,国語辞典を作る映画です.それ以外に説明のしようもないし,それ以外の内容もないのですが,これが実に良い映画で,すごく面白かったのです.

映画「舟を編む」公式サイト

 自分が,生物学辞典にほんのわずかに関わったことがあるとか,7月初旬発売予定の某本の「用語解説」について執筆者の人と一緒に頭を悩ませたりしたので,多少なりとも親近感があったので見てきたのですが,予想外におもしろくて,淡々としてほのぼのとしたところが,とっても良かったのでした.

 さて,その後,大学生協の書籍売り場で,こんな新書も見つけました.

「辞書を編む」 飯間浩明著,光文社新書

 著者の飯間さんは「三省堂国語辞典」略して「三国」の編纂者の一人で,辞書作りの実際を淡々とおもしろく語っています.映画「舟を編む」の主人公が執筆した本かと思うほど,映画の登場人物と,文章から見える飯間さんのキャラクターが重なって見えます.

 それにしても,あらゆる言葉を集めて定義するという行為が,辞書の編纂者のシゴトなわけですが,この本を読んでいると,真摯な編纂者は世界の全てを知ることになるんじゃないかと思ってしまいました.そして,実際に,国語辞典を作るということは「ことばによる世界の模型作り」だと著者自身が最後に語っています.

 こういう本を読むと,辞書というものについて自分が知らなかった面が見えてきて,本当におもしろいです.

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