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May 2013

2013.05.30

最終校正中

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自分が編著者になっている,とある本が完成に近づいていて,昨日から念校(最終校)のチェック中.(まだタイトルとかは公開しない方がいいかな,と思って出来上がりのイメージにはモザイクをかけてみましたw)

初校,再校ときて3回目のチェックなんですが,見ているとやはり大小のミスが残っているので気が抜けません.ヒヤッとしたのが,最初の方に出てくる文章中で「19」という数字が入るべきところが「22」になっていたことです.

 ん??と思って再校を見直しても22になっているので,さらに初校に戻ると,初校で「19」となっていたものを,ボクが「18だったかな」と思って,19を二重線で消して18と書いた後がありました.

 結局,19が正しかったことを確認して,書きこんだ18を消して,修正なしの意味の校正記号「ママ」と書いておいたのですが……

 わかるでしょうか?

 初校に書きこんだ「ママ」を出版社の人が「22」と間違えて修正してたんです!

 危なかった…ι(´Д`υ)アセアセ

 この念校でミスを見落とすと,そのまま本屋に並ぶことになるので,集中しております.

 それと,本文以外にも索引をチェックしてると,同じ意味の言葉が章によって微妙に表記が違うために,別の用語として索引に上がってたりします.(例:キャッチアンドリリースとキャッチ・アンド・リリース) そうなると気になるので,編者権限でどちらかに統一しようとして見直したり……

 まぁ,そんなこんなで大変ですけど,あと少しと思うと楽しいです.

 いずれにしても,何度読み返しても興味深い本なので,発売されたら自然の生物に興味のある方々には是非手に取ってほしいです.

 一応,7月初旬発売予定です.(ボクが念校チェックの締切を守れれば,ですけど)

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2013.05.23

ちょっと前に読んだ本

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だいたい4月からゴールデンウイーク明けくらいまでに読んだ本の覚え書き.

◆「終末のラフター」 田辺イエロウ著.少年サンデーコミック.

 マンガは恒常的に読んでいるのですが,これは少年サンデーに短期連載されていたもので,連載時に良かったのでコミックも買ってしまったもの.

 いわゆる「普通の市民」の身勝手さ,心の醜さを見せつけながら,それでもそこから離れられない心理というのが,なんとも印象に残ります.

◆「御伽草子」 太宰治著.新潮文庫.

 マンガしか読んでないわけではなく,たまーに,こういうものも読みます(笑)

 以前,清水義範さんの「蕎麦ときしめん」を読んだ後,講談社文庫の「国語入試問題必勝法」も読んで,その中に太宰の「御伽草子」についての評論のパロディ(パスティーシュ)である「猿蟹合戦とは何か」という作品も収録されていたことや,「鬼灯の冷徹」の8巻でカチカチ山のウサギがメスなのは太宰の小説のイメージで…ということが書かれていたため,オリジナルを読もうかと思った次第.

 この本には,御伽草子以外にも「新釈諸国噺」なども収録されていて,中には読みにくい話もありましたが,概して楽しく読めました.とにかく貧乏で金に困っていながらプライドが高くて見栄っ張りな登場人物が多いんですけど,いろいろな本でちらりと読んだ太宰の人物像と重なる気がしますね.そして「御伽草子」の,カチカチ山のウサギは,確かにヒドイ(笑)

◆「県庁おもてなし課」 有川浩著.角川文庫.

 太宰治は一昔前の文学だけに,若干読みにくかったのですが,さすがに現代の小説は読みやすいです.

 しかし,これは……まちづくりとか地域振興とかのテキスト本として秀逸すぎるんじゃないか!? 公務員とか目指す学生は読んどいたほうがいいだろうね.

 箱物を作るのではなく,金を出しても作れない「自然」をうまく生かして,観光客目線で楽しめるようにする,という当たり前のことだけど行政が苦手なことを題材としてうまく料理しています.作品の舞台は高知だけど,多くの県に当てはまる話です.

 ただし,有川浩さんの小説は必ず恋愛要素が入っているらしいのだけど,ボクはその辺は全然ピンと来なかったです.うちの研究室に出入りしている業者の女性営業さんは,有川さんの恋愛要素が好きらしいのだけど……うーん,女の子目線の理想なのかなぁ…
(ちなみに,有川浩さんは女性です)

 そんなわけで,たぶん恋愛要素を中心にしているであろう映画版を見に行く気はないのであります.

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2013.05.01

長良川のアユ遡上量と河口堰の影響

 2012年度に愛知県がおこなっていた「長良川河口堰最適運用検討委員会」の環境チームの委員として,ボクは委員会に参加していたのですが,そのときの環境チームのミッションは現在までにおこなわれた各種調査等の情報をまとめて,長良川河口堰によって,どのような影響があったのか,また,河口堰の開門調査によってどのような影響が見込まれるのかを検討する,というものでした.

 委員会は基本的に公開でおこなわれたので(チームごとの打ち合わせなどは除く),そのときに配布した資料の中で,2012年度のボクの担当分の「まとめ」となるものを公開しておきます.

「アユなど通し回遊魚への開門効果と環境変化の予想」をダウンロード

「ヨシ等の抽水植物群落への開門効果と環境変化の予想」をダウンロード

 さて,これまでの資料を検討すると,長良川で産卵したアユの仔魚は,ほぼ全滅していて再生産には全く寄与していないのではないか,という予測が出てきます.

 まさかそんな極端なことは……と,自分で資料を作りながら内心思っていたのですが,どうもそうではなく,実際に長良川のアユの産卵は次世代に全く寄与していないという考えが正しい気がしてきました.

 なぜかというと,昨年度は長良川でエドワディエラ・イクタルリによるアユの大量死が起きており,落ちアユの時期に岐阜市で採れるアユも非常に少なく,新村安雄さんが毎年おこなっている「アユの産卵を見る会」でも,まったく産卵が見られなかったくらいで,長良川で産卵できたアユの資源量は例年に比べても著しく少なかったと見られています.

 もちろん,滋賀県などと違ってアユの産卵数などの推定出来る調査はなされていませんから,正確なところはわかりませんが,ボク自身も岐阜市内の魚類調査として長良川に出て,2011年はそれなりに目についたアユが,2012年は全然見られなかったことを経験しています.

 それにもかかわらず,今年のアユの遡上量は順調との報道がなされています.

「長良川の天然鮎「多い」 県河川環境研、今年の遡上数予測」 岐阜新聞2013年5月1日

 ようするに長良川のアユの産卵数が多かろうと少なかろうと,遡上数に影響しない.つまり,長良川のアユの再生産がゼロであったとしても,全く関係ないという事になります.

 かつては木曽三川で長良川が最もアユの多い川だとされてきました.そして,長良川河口堰運用後,木曽三川全体でアユの漁獲量が減少しています.

 長良川のアユの仔魚が全て死滅しているとすれば,木曽三川(を主とした伊勢湾奥部の河川)全体でのアユの再生産の量は,その分だけ減少すると考えられます.そして,湾奥で育った仔稚魚が母川回帰せずに各川に上れば,長良川だけが漁獲が減るのではなく,全体的に漁獲が減ることになります.

 ということで,長良川において昨年の産卵親魚数が著しく少なかったにもかかわらず,今年のアユの遡上がそれなりに多いという事は,すなわち,河口堰の影響で長良川のアユの仔魚は全滅しているという仮説を支持するわけです.

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