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2012.05.02

簡単にできる個体数調査法実習

◆今日は連休の合間の平日.

 しかし,担当講義を休講にする口実が無かったので,通常通りに「動物生態学」を開講.出席率が下がるだろうと思っていたのですが,案の定.

 そうは言っても,出席率の低い状況で,重要な内容を進めてしまうのも気が引けるので,事前に,ちょっとした実習のできる準備をしていました.

 例年,動物生態学の最初の方で,個体群生態学の応用として沖縄でのウリミバエ根絶事業の話をしています.その際に,個体数推定の方法についても解説しているのですが,今回はマーキング法(標識再捕法,ピーターセン法などとも言う)を,実際にやってみるようにしてみました.

以下,レシピ.

<準備するもの>

120502_094501


いりごま(黒,白) 各1袋

紙皿

爪楊枝

使い捨てコップ

小さなスプーン

 

<方法>

・学生たちに数名ずつのグループを作らせます.

・いりごま(白)を使い捨てコップに適量入れて,各グループに配ります.
(=調査対象の野外個体群に相当)

・コップのゴマを,スプーンで少量すくって皿に出して計数させます.
(=野外からの採集)

・取り出した白ゴマと同数の黒ゴマを用意させます.
(=採捕個体のマーキング)

・数を合わせた黒ゴマを,コップの中に入れます.
(=マーキング個体の放流)

・コップの中で,適当に混ぜ合わせます.

・コップから適当にスプーンで少量のゴマを取り出させます.
(再捕獲)

・取り出した白ゴマと黒ゴマをそれぞれ計数させます.

・数式に従って計算すれば,コップの中のゴマの数が推定できます.

 ここまでが,マーキング法のシミュレーション.

 そして,野生動物対象だと,推定値が正しいかどうか不明なのですが,これは実習なので,マーキング法がどの程度実際の数に近い推定をしているのか確認することができます.

<検証>

・コップの中のいりごまをすべて計数させます.

120502_094601

 つらそうに30分以上かけて数えていました(笑)

<結果>

120502_103001

 かなり単純な条件で,なおかつ十分なサンプル数のはずなのですが,それでも結構な誤差が生じますね.1グループだけ,やたらと精度が高いのが謎です.偶然?

 以上,お手軽にできるマーキング法の実習でした.

 

 

 

◆その他雑談の1.

 魚類学雑誌の最新号が届いていましたが,淡水魚関係で良くも悪くも興味深いものがイロイロ載ってました.とりあえず,こちらの地元で自然観察に関わるような皆さんのために記しておくと,

 岐阜三重愛知あたりの「シマドジョウ」は,標準和名「ニシシマドジョウ」

 「スジシマドジョウ小型種東海型」は,標準和名「トウカイコガタスジシマドジョウ」

だそうです.

 

 

◆その他雑談の2.

 愛知県から,某検討委員会の委嘱の連絡が来ていました.旅費・報償費の振込先を記入する紙も入っていましたが,同時に,それらを辞退するための書類もあったので,両方とも辞退しておきました.

 こんなところで,こういうことを書くのは,「良い人ぶって」「格好つけてる」みたいに思われるだろうことは重々承知なのですが,行政から金をもらって,お上に都合の良いことを言う「御用学者」を常日頃批判している身としては,そういう余計な金を受け取っていないことを示しておきたいのです.

 たとえば,国土交通省とか水資源機構から研究費を受け取って,その上で○○委員みたいな役職をもらって謝金や交通費を十分に受け取っている人が,「自分は御用学者ではない」と言ったところで,世間から見てどれほどの説得力があるでしょう?

 ま,単なるこだわりですけどね(笑)

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