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2011.09.14

外来魚本と淡水魚図鑑

昨日(9/13)は,岐阜でシーケンサーにサンプルをセットするようにしてから三重大に.
今日(9/14)は,朝から書き物など.
 
 それにしても,このごろ天気がよくて気温が高いぞ? こんな天気だったら,もう少しスノーケリング調査が出来たんじゃないかな…?
 
 
◆愛知県の河口堰検証ですが,専門委員会など見ていてどうにも歯がゆいのは,野生生物とか生物多様性の研究者が委員に含まれていないからですね.
 
 でも,本当はそれじゃあダメなんじゃないのか?
 
 利水・治水についての議論は,開門が可能かどうかの技術面での話として極めて重要ですが,「なぜ開門するのか」ということを問うならば,それは生物多様性等への環境影響が甚大だから,ということになるはずなのです.
(利水・治水の面からは,河口堰が無駄な施設であることは立証できても,コストをかけて開門すべき,という理由にはならない.建設前なら,無駄だから作るな,という正当な理由になるけれど)
 
 ですから,いかに河口堰が生物多様性に負の影響を与えているのか,ということを具体的なデータで論証しなければいけないのに,専門委員会では,やたらとその部分を軽視していて,漁業被害程度しか書かれていないのは,不満を感じずにいられません.河口堰建設前の時と,ほぼ同じメンツで同じ議論をしてるだけじゃないか?というのがいまさら感じた印象.
 
 
 やはり,河口堰建設前と現在との最大の違いは,生物多様性の重要性が社会的に認知され,行政が配慮すべき法的根拠にもなっているということです.
 
 したがって,

●河口堰による生物多様性等への環境影響が甚大であること

●生物多様性国際条約COP10を開催し,「愛知ターゲット」を国際的に提案した愛知県・名古屋市においては,国際的にも,岐阜三重愛知の東海三県においても,生物多様性の保全と回復においてリーダーシップを発揮しなければならないこと

という,「大義」こそアピールすべきではないでしょうか…?

 本当に,専門委員会の皆様の努力には敬服するけど,やはりおのおのの専門である狭い部分にはまり込んでしまう限界を感じます.それと,本当にこの地方には自然のいきものたちを守るための力を持った研究者が不足してるんだなぁ,と…
 
 
 
◆久しぶりに本の紹介.

外国から来た魚―日本の生きものをおびやかす魚たち .松沢陽士 (著),フレーベル館.
 
・ポケット図鑑 日本の淡水魚258.松沢陽士 (著)・松浦啓一(監修),文一総合出版. 
 
 どちらも同じ人の本ですが,「外国から来た魚」は昨年夏に出版された本.ポケット図鑑はつい先日から売っているもの.
 
 「外国から来た魚」は児童書なのですぐに読める本ですが,魅力的な被写体としてブラックバスを撮影していた著者が,その問題に気付くプロセスなど,一読の価値ありでしょう.
 
 ポケット図鑑は,新しいだけあってトウカイヨシノボリとかマングローブゴマハゼとかも載っています.スナヤツメ,カマツカ,ジュズカケハゼあたりも,文章で新しい情報がフォローされています.しかし,ハゼ類については,掲載種数が物足りないかな.
 巻末には条例等で採集が制限されている魚種がリストアップされているので,遠くに採集に行かれる方は法に触れないようにチェックするのに役立ちます.

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