« 誕生日 | Main | 発掘した本と新規購入本 »

2010.03.10

読書メモ

昨日は朝から会議等で大したシゴトもできなかったので(会議も仕事なんですが…),今朝は今週中に済ませておかねばならない項目を書き出して,一個ずつ確実に仕留めていくようにしてみました.三分の一くらいはこなせたかな…?

 さて,この1月くらいから,出張等の移動時間などを使っていろいろ本を読んだので,簡単な読書メモを書いておきます.


◆幼年期の終わり(光文社古典新訳文庫)

久しぶりに小説を読みました.昔の早川SF文庫版は高校生の頃(20数年前)に読んだのですが,新訳版は1989年にクラークが書き直したバージョンの初の邦訳と言うことなので,その意味では初見.かなり有名な古典SFなので,この作品中のさまざまな要素が,現在までに多くの映画などに使われてきたことがあらためて読むとよくわかります.また,基本的に近未来SFなのですが,この作品が書かれた時代(第二次世界大戦直後)に想像された「未来的な」技術のいくつかは,すでに実現しているのが興味深いです.(確実に親子を判定する技術とか,コンピュータで作成した実写と区別がつかない映画とか)
 詳しい内容は書きませんが,高校生の頃にばくぜんとおもしろさを感じただけだったのが,今読むと深読みしつつも楽しめるのは,すぐれた作品なればこそ,ですね.決して熱くなりすぎず,悲観的にもならずに描くクラーク独特の作風は,個人的には大好きです.(ただし,アマゾンの書評にある「上から目線でイヤだ」という指摘も正しいとは思う.オーヴァーロードの立場や視点は,教員のように「上から」見て相手にものを言う職業につくと,変に共感してしまうのも確かなので.)
 ついでに蛇足ではあるけれど,オーヴァーロードの総督の名前は「カレラン」と訳すよりも「カレルレン」とした旧訳の方が,異星人っぽくて好きだな…


◆鳥の自然史

 北海道大学出版会の自然史シリーズの一つ.鳥の分布や行動について,最新のDNA解析やGISを用いた研究事例が集められていて,興味深いです.ただし,DNA解析による日本の鳥類相の起源のところは,個人的にはちょっと……と思うところが多々あり.NCPAの解説は秀逸なのに,なぜか,古典的なcenter of origin思考にとことん囚われているし……
 GISとか,長期モニタリングとかは,自分のよく知らない知識が多かったので,すなおにとても興味深く読めました.


◆なぜ「科学」はウソをつくのか

 大学生協で見かけて買った本.読みやすいけれど,あんまりたいした内容じゃなかったです.俎上にあげているのは「科学」や「科学者」の問題ではなく,行政やマスコミの問題ばかりだし,あまりに愚痴ばかりで途中で飽きます.(それでも最後まで読みましたが)
 唯一よかったのは,「御用学者」についての指摘くらいかな.しかし,その部分も,ボクが普段行政に対して怒りつつ思っている部分だから興味深かっただけで,関係ない人にとっては大したこと無い記述かも.


◆外来生物クライシス

 非常に読みやすい外来生物本.内容的にも,ほぼ正確で,なおかつ松井さん自身が経験している具体的な記述も多々あるため,それなりに知識を持つ方にもオススメ.アラフォー世代にとっては,少し懐かしい感じがする文体です.(子供の頃に,こんな感じの語り口の本を読んだなぁ〜,って思いました)


◆動物分類学

 分類学者のシゴトが分かる本.ページ数も少なめなのですぐに読めますが,決して内容が薄いわけではないです.自然のいきものについての研究がしたいと思っている学生が読めば,分類学を志してもいいかも,と思ってくれそうな感じに仕上がってます.(それが目的なのだと思いますが)
 ただし,ボクの研究の引用部分が,ちょっと不正確なので正しておくと:

p.46 図2-8 タツノオトシゴの頂冠が低く吻が短いタイプとされている写真Bは,向井ほか(2000)で使用した太平洋側の該当種(ハナタツ)ではなく,その時点では未解析だった日本海側のタツノオトシゴだと思われます.太平洋側の頂冠の低いタイプは,もっとずっとツノが短いです.

p.47 図2-9 説明が逆です…

|

« 誕生日 | Main | 発掘した本と新規購入本 »

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/5018/47776930

Listed below are links to weblogs that reference 読書メモ:

« 誕生日 | Main | 発掘した本と新規購入本 »