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2009.10.08

いらんもんは,いらん

今これを書いているのは,台風一過ですっかり天気が良くなった午後.

大型の台風が東海地方を直撃するということで,前日からさまざまな対応が指示されており,市内の小中学校は休校というのが前日に決定済み.しかし,うちの大学は朝7時の時点で暴風警報なら午前中は休講,午前11時の時点でも暴風警報なら午後も休講,という中途半端な指示でした.

 で,結局,午前中に注意報に変わったので,午後の講義を持っているボクは大学に来ていたのですが…鉄道が止まっていたせいで結局,午後も休講にしてくださいという指示が来ました.

 それでは,他のシゴトをしませう,と思っていたら,せっかく大学に出てきたのに先生が来ないので,どうしたものかと思った受講生が一人,今日の講義はどうなったんですか,と聞きにきました.まったく,大学が中途半端な指示をするから…
 
 
 さて,そんなことで学会前にやるべきシゴトの残りに手をつけていたのですが,ちょっとネットを見たら以下の記事が.

紀の川大堰の水利権放棄…大阪府、380億円負担無駄に

 内容的には,和歌山市に作られていた紀ノ川の河口堰について,大阪府が使うはずだった利水分を放棄する,という話ですね.大阪府がすでに支払った事業費負担分が380億円だけど,その後の利水のためには新たな水道設備を作って,さらに毎年2億円の維持管理費を払わされることになるので,今後の財政負担を考えれば撤退が有利,ということなのでしょう.

 ちなみに,なぜこの記事に目がとまったかというと,紀ノ川大堰のあたりは魚採りに行ったことがあるので,ちょっと気になっていたからです.あらためて和歌山河川国道事務所の公式サイトを見ると,紀ノ川大堰の目的として書かれているのは,無駄な公共事業といわれるものの典型だったので,思わず失笑してしまいますが.(きっと,テンプレートがあるのでしょう)
 
 
 結局,本当に防災や利水に必要なものであれば,そのことをはっきりとわかりやすく書けるはずなんですが,そうした目的が失われた状態で無理やり必要性を書くときに,最近の国交省の定番となっているのが「河川環境の改善」です.ダムを作ってコンクリで固めた人為的な環境にして,何が環境改善かと思いますよね.「環境のため」と言えば,それで市民は納得すると思っているのでしょうか.(あー,ムカツク)
 
 
 
 さらについでですが,今発売中のAERAに「ダム誘発地震」についての記事があります.

 ダムを作ると,それまでその場所に存在しなかった大重量が地面にかかりますし,岩盤の間にそれまでは浸透しなかった水が水圧で押し込まれたりするので,ダム周辺に地震がおきるという現象があります.それをダム誘発地震と呼び,いろいろと“海外では”研究されているようですが,日本では個人研究以外にはおこなわれていないようです.

 記事中の徳山ダムなどの大型ダムを建設したり管理したりしている水資源機構の人達の意見によれば「ダム誘発地震の研究があることは知っているが,湛水と地震の物理的因果関係は明らかになっていない.そう考えられるので調査研究はしていない.」だそうです.

 最近,国交省系のこの手の(゚Д゚)ハァ? な言い訳も,すっかり見慣れてしまいましたが,こんな態度で防災とか人命を語るな! と言いたくなります.こっちは徳山ダムのあたりから延びている断層の直上に大学があるんですが? 過去にも直下型大地震が起きて大災害が起きてる地域なんですけど?

 いい加減な言い訳をしなければならない事業は,必要ないから言い訳をしてるんであって,いらんもんは,いらんというのは正しい態度でしょう.そして,危ないんじゃないの?と危惧されることに対して「知りません,関係ありません」は無責任だよな.

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