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January 2006

2006.01.11

正月の読書

メダカはどのように危機を乗りこえるか

 出張などで移動の際に読んだ本.出版されたのは1年近く前で,ずっと机の上に置いたままだったのを,やっと読むことができました.内容は,田んぼを利用する魚の紹介から,それらの魚がもっと使いやすい水田にしたいと考えて水田魚道を試作するまでの話です.

 田んぼを「魚のために」維持するなどという発想は近年まで一切存在しなかったのですが,そんな世の中で,魚のすめる水田になるように地道に研究を進めてきた著者の姿勢はとても好感が持てます.また,自然保護一辺倒になるのではなく,あくまでも各地方の伝統や農作業の労力を考えた上で,水田を維持しつつ魚も人も住める世界を望んでいるのが感じられるので,そのバランス感覚(あるいはやさしさ)は素晴らしいと思います.

 ただ,試験研究の段階での紹介ですから,現実の水田はそれほど変化したわけではありません.いかに農業と生物多様性を両立させるかは難しい課題であって,この本の中でもちらほらとそうした問題を匂わせるところはあるのですが,平易な読みやすい本にするためにほとんど触れられていません.おそらく,この著者自身が思うところは多々あるのだと思いますが,小難しい本にして読者を減らすよりは,なるべく読みやすくして中・高校生(あるいは昨今の大学生)や普通の農家の人たちにも広く読んでほしいということでしょう.

 専門的な知識のある人には物足りないと思うけれど,里山の自然とか身近な自然保護やビオトープ作りに関心のある人たちにはお勧めだと思います.

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 ついでにもう一つ.

凍りのくじら

 いろいろ書き物が溜まっているのに,つい夜更かしして読んでしまった小説.ダメなんですよね,小説を読み始めるとやめられなくって・・・(苦笑).

 もともとこの本は藤子不二雄ファンの人のブログで紹介されていて,知る人ぞ知る藤子ファンの瀬名秀明さんが帯を書いていたので,つい買ってしまったものです.(ぼくも藤子・F・不二雄先生の作品は大好きですから)

 ぼくのココロの普段は人に見せないようにしている部分に直に触れてくるようなところがあって,前半などは結構読んでてつらくもあり,それでいて目が離せないスゴイ作品だと思ったのですが,最後の結末は「それは無しでしょ〜!!!」と言いたくなるところもあって...不思議なくらい共感できる部分があって面白い小説だっただけに「少し・不満」です.

 ちなみに,この本の主人公は「のび太の海底鬼岩城」が大長編では一番好きと言ってました.そういえば,瀬名秀明さんの「八月の博物館」は「魔界大冒険」へのオマージュでしたし,人によって好きな作品は違うのがおもしろいですね.数年前に某巨大掲示板群でちらっと見たスレでは「鉄人兵団」が人気が高かったですし.

 ぼくの場合は・・・やっぱり「のび太の恐竜」がベストかも.でも,初期作にこだわってしまうのは年齢的なものかなぁ.ちょうどのび太の恐竜が最初に映画化された時に小学3〜4年生くらいでしたし.あ,でも瀬名秀明さんよりはぼくのほうがちょっと若いはずなんですけどね.

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