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2004.01.16

魚の目から見た越辺川

魚の目から見た越辺川 渡辺昌和+坂戸自然史研究会 まつやま書房 160pp.
2000年発行 本体¥1600円


 埼玉県を流れる荒川の支流,入間川.そのまた支流の越辺川(おっぺがわ)の魚たちについて記された本だが,各魚種の越辺川における生息状況や今昔についての具体的な解説は,ある程度淡水魚に馴染んだ人には,その場所の情景が目に浮かぶようであり,また,流域の開発による河川環境の変化の貴重な記録としてなっている.そうした,具体的でわかりやすい記述は,日本中の淡水魚を採集して歩いた渡辺昌和氏のホームグラウンドに込める思いによるものであろう.

 本書の前半部はそれぞれの魚種の解説だが,後半はトピック的な内容として,淡水魚の地理的変異に絡む興味深い問題(オイカワの二型・ジュズカケハゼの地理的変異と生態など),人為的な環境変化による交雑種の出現(バラヤリ・オイムツ・タモツゴ),外来種問題(錦鯉,オオクチバス,アカヒレタビラ),河川の構造と魚の生活史の関連(メダカ,ギバチ),毒物の流出事故の目撃談などなど,そこらの本には書いてない話が多く,淡水魚好きなら必携の本である.

 また,「人の目から見た越辺川」として坂戸自然史研究会の方々が書かれている部分も,ホタルをきっかけに水辺に興味を持ったこと,下水処理の問題への取り組み,郷土の伝説といったことも記されており,「越辺川」という日本全体から見れば小さな川にこだわることによって,その地域に密着した具体的で深い内容になっている.

 一般書店ではほとんど手に入ることはないと思うが,Amazon.co.jpでは2〜3日で手に入ることになっている.しかし,昔ぼくがAmazonで注文したときは結局入手できなくて,その後新宿駅南口の紀伊国屋で地方出版物を集めて販売していた際に,ようやく見つけて入手できたという経緯があるので,入手しやすくなっていることを願うばかりである.

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